中国で発生した新型肺炎の蔓延により現地での留学も中断を余儀なくされた今、現地の状況を詳細に伝えることは叶わないが、今後この状況が改善され留学を許された留学生(特に同じ奨学金制度で北京大学に留学に行く学生)が、少しでも早く現地での生活に慣れ充実した生活を送れるよう自分が留学前に知っておきたかった内容を伝えようと思う。
まず、現地での支払いについて、意外と現地(特に北京大学付近)で「銀聯カード」に対応していない店が多く、特に日本で発行した(中国)国外の銀聯カードが使える場面がかなり限られていた。そこで私は、管理には十分注意しなければならないが、現金を多めに持っておくのが良いと考える。
一つは、現地で銀行口座を開設するまでも数日かかる上、開設後すぐには奨学金が振り込まれないからである。9月から留学を開始した私の場合、8月26日に渡航し、9月の4日前後に口座を開設した。そして9月25日に9月分と10月分の奨学金がまとめて振り込まれた。つまり初めの丸々1ヶ月分は自分で負担しなければならない。
また、想定していない出費が何らかの形で発生する。私の場合寮費も免除対象に入っていたが入寮前にデポジットとして千元(1万5千円相当)を要求されたり、食堂や地下鉄等のカードへのチャージ、留学生との外食、ビザの申請や生活用具の購入などで数十元、数百元の支払いが続いた。私だけではなく、そういった初期費用への出費がかさみ困惑している留学生も多かった。
以上の二つの理由から、可能であるならば多めの現金、具体的には5000元前後(日本円で7万5千円前後)を持参することを勧める(中国政府奨学金受給者で学費・寮費が免除される場合)。また、現地で日本円を中国元に両替する場合、基本的には銀行での手続きを必要とするため個人的には日本国内の方が両替するハードルが低いと感じた。手数料は割高だが、ただでさえ渡航後数日は生活に慣れるのに必死になるので、不安な方は渡航前に3000元以上換金しておくのを勧める。
これから留学される方には、私だけだはなく様々な方の留学レポートを参考にしできる限りの準備をしていただきたい。(北京大学 中津大介 2019年)