キャンパスが複数分かれていると意外と本科生はいない・・・?
2019年で1番印象深い出来事は何かと聞かれればやはり私はこの中国留学と答えるでしょう。9月に始まり、一年のうちのたった4ヶ月しか占めていませんが、それくらい濃く充実した日々を過ごせたと感じています。そして留学先のこの地でいよいよ新たな年、2020年を正に迎えようとしています。年を越した後には、息をつく暇もなくすぐに期末テストです。そして今学期も終わりを迎えます。もう1学期が終わるのかという驚き、自分の中国語の伸びへの焦り、半期で留学を終える人との別れの悲しみ、とこの時期は様々な感情が湧いてきます。
留学を迎える前には、留学したら自然と中国語を話す機会がたくさんあり中国語を話せるようになるだろうと思い込んでいました。しかしいざ留学に来てみると、この考えは浅はかだったと思い知らされました。私の派遣大学では留学生がいる校区には研究生しかいません。そのため聴講や本科生が参加するサークルに気軽に参加することもできません。また、語学授業のためもちろんクラスに中国人はいません。そのため留学前に想像していた毎日中国人学生と交流するという生活とは全く違うものでした。やはり中国に留学に来たからといって自分から動かなければ何も始まらないと強く感じました。これが私が留学前に抱いていたイメージと1番異なっていた点だったと思います。
このことに気づいてから私は日本にいた頃の自分とは全く違い、自分から積極的に外に出かけるようになりました。毎週開かれている中国語コーナーに参加したり、中国人の友達と遊ぶ約束をしたり。このような環境だからこそ自発的に積極的に行動することができたかもしれません。
また中国の文化や中国人と交流を図るために参加した書道の授業では、1月末に迎える春節を前に春聯を書きました。中国人の学生はとても温かく、熱心に教えてくれたのが印象的です。
留学に来る前にはどこか中国人と少し距離を感じていた自分がいました。どういう人たちなのだろう、どういう性格なのだろう、どのような考えを持っているのだろう。中国人との関わりがあまりなかった私にとってこれら全てのことが未知のことでした。日本の報道や情報から形作られる中国、中国人のイメージは偏ったものであると頭では分かっていても、やはりどこか少し距離を感じてしまっていたのかもしれません。しかし実際に中国の人と交流をして、多くの友達ができて、もう他人のようには感じられなくなりました。そして中国人の優しさや温かさ、熱心さを肌で感じることができました。
留学が始まり新たな発見が沢山ありましたが、私が知っている中国はまだまだ一部だと思います。もっと中国を知りたい。もっとたくさんの人と交流したい。この気持ちを精一杯満たせるように積極的に行動していきたいと思います。(齋藤有沙 浙江大学 2019年)