私は2019年9月から北京の清華大学で語学留学している。
中国に渡航した経験すらなかった私は、アジアトップの有名な大学という安易な理由でその学校を選んだ。北京に留学するというと、北は空気は汚い、冬の寒さがとても厳しい、油っぽい料理が多くて日本人の口には合わない、なぜ上海にしなかったのかと、さんざんに言われることが多く、行く前からとても不安だったことを思い出す。しかし結論から言うと、私は清華大学を選んだことをまったく後悔していない。理由は主に2つある。
①キャンパス
世界で最も美しいキャンパスランキングにアジアから唯一ランクインするという偉業をもつ清華大学は、巨大な敷地内に歴史的建造物、美術館、芸術ホール、運動場、体育館、図書館、10ヶ所以上の学生食堂、カフェ、スーパー、たくさんのオブジェなどを有している。半年間のキャンパス生活では、とてもすべてを見て回ることはできなかった。
キャンパスを出なくても生活に困ることはなく、非常に充実した環境だった。図書館は複数あり、新しいところには中国語に翻訳された日本の小説などがあったことは中国語学習に助けになった。また、秋の紅葉と冬の雪景色は本当に美しく、学外からも毎日人が見物に訪れるほどだった。春のキャンパスを見れなかったことをとても残念に思っている。心配していた食べ物についても、清華の学食は美味しい・安い・たくさんの種類があると三拍子そろっており、不便を感じることはほぼなかった。
②人
語学学生として清華大学に所属しているだけでも、現地の学生と交流する機会は多く、授業やサークル、イベントや講演会などを通してたくさんの人と知り合うことができた。
語学交換のために日本語学科に所属する学生を紹介してもらい、週に一度会って一緒に勉強をしていたが、大学2年生にして経済学と日本語のダブルディグリーをしているの彼女の課題の多さや、そのレベルの高さに驚かされた。
彼女が言った「ここに来た生徒たちは皆故郷では天才と呼ばれて、勉強では誰にも負けたことがなかったのに、清華では凡人になってしまう、初めての挫折をここで味わう人が多い」という言葉がとても印象に残っている。図書館や勉強室も朝から晩まで常に混んでいて、常に刺激を受け続ける環境だった。(松尾美欧 清華大学 2019年)