社会人で中国留学後、中国系企業への転職(2/2)

中国留学へのターニングポイントは人それぞれ。
中国留学経験者へのインタビューを通して、様々な留学体験と帰国後の進路・就職等をご紹介します。

今回は、吉田安希さんのインタビューです。

吉田さんは、社会人になってから留学し、現在は中国系企業に勤務されています。社会人での留学はどうだったのか?帰国後の仕事はどう探したのか?などに迫ります。

本記事は「社会人で中国留学後、中国系企業への転職(1/2)」からの続きです。


プロフィール

吉田 安希(よしだ あき)。 東京都出身。

学校法人に8年間勤務した後、北京対外経済貿易大学に2年間留学。
現在は、中国IT企業の日本法人に勤務。東京都日中友好協会所属。

 

 

中国人の合理的な部分を知り、自分の許容範囲が広がった

―留学経験の中で良かったことはありますか?

あらためて、日本がすごい国だなとわかったことですかね。中国の人は日本のものをすごくほめてくれるし、とてもよく知っている。日本人だと言うと、日本のアニメ、電化製品、車など、何かしら日本のものの話題がすぐ出てくるんですね。
自分がこれほど他の国のことを知っているかというと知らないので、日本の知名度がすごいと感じました。それに、日本のパスポートの効果もすごいと思いましたね。

それから、中国人の良い意味での合理的な部分を知ることができてよかったです。例えば、日本人なら人に何かをお願いした時は終わるまで自分も残ったりしますよね。でも、中国人の場合はどうせ私がいても仕方ないし、お願いって遊びに行ってしまったりとか。
自分の中での許容範囲が広がった気がします。

―どの国の留学生が多かったですか?

韓国人ですね。あとは華僑の人が多かったです。
クラスも名簿上はいろんな国籍なんですけど、みんな華僑何世、という人たちなので、教室に入るとアジア人顔の人ばかり、という感じでした。

―ルームメイトもアジア人ばかりですか?

ルームメイトは、タイ人のあと、カメルーン人、韓国人でした。大学の寮よりも外の方が安くて良いところに住めることがわかって、引っ越そうと思っていたらたまたま日本人のルームメイトが見つかったので、最後は大学の寮を出て、日本人とルームシェアをしていました。

カメルーン人との生活は、鍛えられましたね。ものすごい自由で、最初はイライラしたんですが、こちらも自由にできるので、最終的にはこの人以外とは住めないかもしれないと思いました(笑)。相手のものは自分のものというかんじだったんですよね。クラスのみんなでそれぞれ料理を作って、夜持って行ってパーティーをしようというイベントがあったので、カレーを作って部屋に置いておいたら、半分食べられていたことがあったり(笑)。
でもだんだん憎めなくなっていって、今となってはすごい楽しかった思い出です。

―日本では考えられないことですね(笑)。

はい、こういう体験でどんどん許容範囲が広がりました(笑)。

―中国に溶け込むために何かしていたことはありますか?

中国人がジャニーズとか嵐が好きと言ったら、ネットで調べて会話ができるようにしていました。でも、受け入れられるために相手に合わせようとしなくても、中国人のほうから積極的にきてくれて、あえて溶け込むために頑張ったりということはあまりしてなかったですね。

天安門広場にて

中国語ができたことで仕事のチャンスが広がった

―帰国後はどうしたんですか?

2010年1月に帰国して、リーマンショックの関係も続いていて仕事探しには苦労しました。
中国語もあまりアピールできなかったんです。結局、中国語と関係ない生命保険会社に入りました。1年半ほど勤めたんですが、不満もいろいろあって。

その後、たまたま知り合いが北京でお店を出すということで、誘ってもらって、北京に行って働いていたのですが、北京での留学の思い出が楽しいいい思い出ばかりだったせいか、北京で働くとなると留学時代とは全然違って時間もなく、友人ともなかなか会えなかったり、つらくなってしまって。社内の人間関係もあまりよくなかったので、数ヶ月で辞めて帰国しました。

その後しばらくまた中国とは関係ない仕事をしたあと、今の会社に入りました。今の会社は親会社が中国にあり、その日本法人にあたる会社です。

―今の会社は中国系企業とのことですが、どのように転職活動をされたのですか?

転職活動の際に求人を見ると、中国語関係の求人はあるにはあるんですが、私の年齢や語学レベル的に、中国語力を求められる求人には通らないと思いました。
たまたま登録していた紹介予定派遣の会社から、中国語必須ではないが、中国関係の会社だということで紹介してもらいました。

―中国人の社員もいらっしゃるんですか?

日本法人の150人ぐらいの社員のうち、8割は中国人ですね。でも会話は日本語です。中国人の場合、日本語が話せないと採用はされないので。
日本人社員は、私以外は中国語がわかる人はいないんです。なので、メールも含め業務上はすべて日本語です。
でも、携帯のチャットで会話する事があり、その時はたまに中国語を使います。自分の勉強にもなりますが、私が中国語を使う事で、なんかすごく距離が縮まった気がすると言ってもらえた事があり、勉強しててよかったなと嬉しかったです。最近、ダメ元で上司に中国行きたいと言ったところ、出張、駐在の話が浮上し、どこにチャンスは転がってるかわからないなと思いましたね。

―最後に、今後中国に関わりたいと思っている人へのメッセージをお願いします。

中国に関わりたい!と思ったあなたはすごくラッキーだと思います。ぜひ、行って見て現地で生の中国を体験して欲しいです。あと、留学は語学習得だけでなく、世界観も広がるのでオススメです。私は、29歳で留学して、もっと早く来ればよかったとも思いましたが、始めるのに遅すぎるという事はないです!

―ありがとうございました。中国駐在、行けるようお祈りしています!その際にはぜひまたインタビューさせてください。


你会では、中国留学を希望するみなさんに、中国語講座・マナー講座留学前研修留学サポートなどを行っています。