語学クラスは中国語で何と言う?そのネーミング方法

南京大学での語学クラスの名前から見る発想の違い

南京大学に留学中の佐野と申します。10月になって日々の生活にもリズムが生まれてきました。今回は南京大学の中国語クラスについてお話したいと思います。南京大学では、海外教育学院という機関が外国人向けに中国語を教えています。その中で、生徒のレベルに応じて中国語のクラスが7つに分かれており、私は現在上から2番目のクラスに在籍しています。その名も「高下」クラスなるクラス。

高下クラスの時間割

では、最高峰のクラスが「高上」クラスかといえば、さにあらず。一番上のクラスは「文化班」という別格な名前が与えられています。逆に「高下」クラスのひとつ“下”のクラスが「高上」クラスになっています。最上級という言葉があるように、日本語ではレベルを“上下”で表すことが多いので、日本語で考えると非常にややこしいネーミングです。

寮の様子:二人部屋です

寮の外観:ラッキーにも今年出来たばかりです

しかし、中国語で考えると納得がいきます。中国語では「上周」が先週、「下周」が翌週を意味するように、時間の前後関係を“上下”で表します。そして、「高上」の次、すなわち“下学期”(次の学期という意味)には「高下」クラスに進んでくださいという意味で、このようなクラス名が付けられているのです。

高下クラスの同班とご飯を食べました!

なるほど。このように、クラス名ひとつとってみても日本語と中国語の差異に気付かされる日々です。「成績」や「学校」のように日本語と中国語とで同じ意味の言葉がある一方で、「失脚」や「約束」のように同じ漢字を使っていても全く意味が異なる場合もあります。こうした差異は、私のみならず中国語を学ばんとする多くの日本人にとって苦労の種になっているはずです。数学とは違い言語に絶対のルールがあるわけではないので、こうしたポイントをひとつひとつシラミつぶししていくのは非常に骨が折れることです。

日々の予習復習は地道な作業ですし、授業後には中国語を聴きすぎて頭がぼーっとするような毎日です。脳にも筋肉痛があるのでしょうか。それでもいつか中国語が完璧に聞き取れるように、中国のラジオがすんなり頭に入るように、コツコツがんばります。(佐野聡 南京大学 2019年)

ABOUT US
Ryohei ISHIZUKA京都府日中友好協会 青年委員会青年委員長
日本の最大手通信キャリアに勤務の後、中国系通信キャリアの日本法人に転職。現在は企業向けのグローバル人材育成を支援する会社でコンサルタントとして勤務。 また、若者のキャリア構築に関心があり、勉強している認知科学を応用したコーチング理論を勉強しており、これまで延べ100名以上のキャリアサポートを行なった実績があります。 内閣府主催「日本・中国青年親善交流」事業における2020~2023年研修講師を担当。2024年には日本・中国青年親善交流事業に参加。