刺激的な中国留学の日々も遂に終わり・・・
今月7月上旬に浙江大学のテストが終了し、私は一年間の中国留学を終えました。長かったような短かったような不思議な感覚です。この一年は様々なことがありました。中国での濃厚な半年があっという間に過ぎたと思ったら、突然の感染症の流行、そして日本への帰国、オンライン留学の開始。後半の半年は自らの置かれた環境の変化に付いていけず葛藤した日々を送りました。
大学で1年間留学に行くことは入学前からの夢でした。もともと語学を学ぶことが好きで外国語大学に入学しましたが、それまで留学に行ったことのなかった私は留学すること自体が一つの憧れとなっていたと思います。
しかしそんなただの「憧れの留学」が「目的を持った留学」へと変わったきっかけは、日本中国友好協会で参加させていただいた訪中団でした。この時に初めて触れた中国の感動が忘れられず、更にこの国を知りたい、中国人と交流したいという目的が生まれました。実は今回の留学も、訪中団で偶然参加した留学説明会を通して知ったため、素敵な縁に恵まれたとつくづく感じています。
自分自身で感じる”留学前との大きな変化”
留学を終えて、親戚や友人に会うと「留学に行って何が一番変わった?」と聞かれることがよくあります。そこで私は決まって一番に「中国を好きになった」と言います。
今回留学で中国を訪れるのは訪中団に続き二回目でした。出発前、私の中国への理解は正直そこまで高いものではなかったと思います。授業で中国について学ぶことや大学で中国人留学生と交流する機会があっても、私の中国に対するイメージはまだ日本のテレビや新聞から影響を受けていた部分が多くありました。しかし中国で生活するにつれ、今までぼんやりと持っていた中国のイメージが自分の実体験を元にした姿へ変わっていきました。同世代の大学生の考え方に共感したり、ITの発展に驚いたり、イメージ通りの中国人を見たり(笑)、中国の良い面や悪い面を知っていくにつれ、どんどんその魅力に惹かれていきました。それと同時に、こんなに多様な文化があって面白い国なのに報道や新聞からの一部の印象だけで倦厭してしまう人がいるのはもったいないと感じるようになりました。
そのようなことを考える中、私には将来の夢のようなものができました。それは日中の民間交流に貢献するということです。仕事を通して関わるのか、ボランティアなどの活動を通して関わるのか今はまだ決められていませんが、この夢が今後の私の人生を考える中での一つの軸になってくると感じます。留学を通して知識を学ぶだけでなく、日中のこと、自分の将来のことを何度も考えました。
学生の間にこのような経験ができたのは一生残る貴重なことだと思います。改めてこのような機会をいただけた日本中国友好協会の皆さまに感謝申し上げます。(齋藤有沙 浙江大学 2019年)