近くて遠い国ー中国ー
日本と中国は一般的にアジア圏として同じ括りにされることが多いですが、似ているようで異なった点が沢山あると思います。顔立ちや背格好はよく似ているため、一人で街を歩いていても日本人と気づかれることはほとんどありません。ただ日本の友人と話しながら歩いているとガン見されることは何度も経験しました。
そうです、中国人はとても感情が分かりやすいのです。もちろん中国人全員がそうというわけではなく、まるで日本人のようにあまり感情を露わにせず常に笑顔で接してくれるよう中国人に何人も出会いました。しかし食堂のスタッフ、大学の警備員、スーパーの店員など日常場面で出会う中国人を見ていると皆が自分の価値観を持っており相手が誰であろうと自分の思ったこと、感情を真っすぐにぶつけてきます。
また中国人は人との距離感が近く、自分に近い存在の人をすごく大切にします。それは家族を大切にし、親孝行を重んじる態度にもよく表れていると思います。私の中国人の友人も度々果物をくれたり、遊びに行ったときにはお金を全て払おうとしてくれたり、また先日は日本の様子を心配しマスクを送ろうと連絡してきてくれた友人もいました。中国人は日本人と比べメールの返信もかなり速いですが、このことも人との距離感の現れだと思います。そう考えると日本は仲のいい友人でさえも、ある一定の距離を保っているかもしれません。以前日本の大学で知り合った中国人の留学生が日本人は距離感を感じると言っていたことを思い出しました。
そして私が中国に来て個人的に一番驚いたことは、恋人の付き合い方です。大学のカフェで彼氏の膝の上に彼女が座っていたり、道でぴったりとくっつきながら歩く様子などをよく見かけました。最初はこちらの方が恥ずかしく目を背けていましたが、あまりにもよく見るため最後の方には何も思わずその横を通り過ぎれるようにまでなりました。
同じアジア圏のため、日本の恋人のような付き合い方を想像していたのですが、中国の恋人はどちらかというと欧米寄りだということは新事実でした。
人々の性格、考え方の面からいくつかの異なっている点をあげましたが、私はこのような中国人の考え方、性格が好きです。話していると、彼らの率直な意見にハッと気づかされることも多く私はどうしてこんなに複雑に考えているのだろうなどと反省することもあります。言語を通してこのように異なる意見、考え方を持った人と交流できることは外国語を学ぶ大きな醍醐味だと改めて感じました。
写真は文章と全く関係ありませんが中国が懐かしくなり作ってみた豆花です。最近はおうち時間が増えているので料理をやっています。今ではもう浙江大学の食堂で食べていた少し脂っこい料理がとても懐かしいです。ほかにも中国料理を作れるよう練習しようと思います!(齋藤有沙 浙江大学 2019年)