効率主義な中国人と人目が気になる日本人
私は普段WeChatで中国人と連絡を取っているが、長い間疑問に思っていることがある。主に日本人はLINE、中国人はWeChatというアプリで人と連絡を取る。コミュニケーションツールとしての機能に差はない。しかし、一般的に日本人は文字を入力して会話をし、中国人はボイスメッセージ機能を使って会話をする。なぜ似たようなアプリを使っているが、コミュニケーション方法に違いがあるのだろうか。
中国人は何故ボイスメッセージ機能を多用するのか。
私は中国人の先生や友人に対して「何故ボイスメッセージ機能を多用するのか。」と質問をした。結果は下記の通りである。
- 文字を入力するのは面倒で、ボイスメッセージ機能は楽だから。
- 相手の声を聴くことで、相手の喜怒哀楽を想像しやすいから。
- ピンインが分からないから。
全ての中国人が①には回答していた。やはりボタンを押しながら話すだけで済むことは、利便性が高いと言える。③は年齢が高い人ほど、この理由が多いそうだ。
また、この調査をしている時、ある先生から、「日本人は何故文字を入力して連絡を取るのか。」と質問を受けた。
日本人は何故文字を入力して会話をするのか。
私は先生からこの質問を受けた時、すぐに答えられなかった。たしかにボイスメッセージ機能を使用する方が効率が良いからである。
そこで日本人の友人に、「なぜ日本人は一般的に文字を入力するのか」と質問し、中国人の先生や友人に、「日本人と中国人の使い方が違うのはなぜか。」考えてもらった。
そして、日本と中国で異なる点を発見した。日本人は会話が他人の耳に入ることに抵抗がことである。「外出時、他の人に会話の内容を知られたくないためボイスメッセージ機能を使わない。」や「外出時、一人で声を出すことは恥ずかしいから。」という日本人の意見があった。また、中国人の先生や友人は「中国人は外で歩いてる時や、飲食店内でもボイスメッセージ機能を使う。」や「日本人は私たちに比べプライバシーを重要視し、自分のことを他の人に知られることが嫌なのではないか。」と推測していた。たしかに中国では、多くの人が外出時でもボイスメッセージ機能を使用している。
私は人前でボイスメッセージ機能を使うことに抵抗があるかどうかが、日本と中国でコミュニケーション方法に違いがある理由だと考える。
まとめ
私はこの調査を経て、中国人がボイスメッセージ機能を多用することは合理的であると感じた。また、一人の日本人として、日本で歩いている時や、飲食店内でのボイスメッセージ機能の使用に抵抗を感じることは理解できる。この調査は私の交友範囲内で行ったため、私が考えた結論は間違っているかもしれない。しかし、日本人と中国人、双方にとっての当たり前な事柄に対して「何故」を深掘りすることは非常に面白かった。(小川一馬 北方工業大学 2019年)