中国では人前で音読するのは恥ずかしいことではない

中国留学を振り返って〜中国人から学んだ在り方〜

中国留学を振り返ってみると、新型コロナの影響で2月中旬に一時帰国することになってしまい、すぐに戻れるだろうと当時は思っていました。しかし対面授業ではなくオンライン授業に変わり、心の何処か未だ完全に留学をやり切った感が無く終わってしまいました。しかし、今回南京で留学した事自体を後悔はしていませんし、これからもしないと胸を張って言えます。

その理由としてまず南京という都市で生活したことによって、当然ではありますが南京の都市自体についての理解を深めることができたからです。私が留学先で南京を選んだ理由は、日中間における歴史問題のイメージがあったからです。実際多くの日本人が南京という都市を耳にすると、そうしたイメージがあると思います。留学を通じて、特に日本語や日本文化に関心を持つ多くの人達との出会いがそうしたイメージを何か固定化させたのではなく、より多様な面を知る機会となりました。

歴史ある南京には中華民国総督府の跡地がある

それは中国という国に対する印象に対しても同じことが言えます。実際に中国で生活をしてみたことで、日本にない文化・習慣や便利性の面においても違いが数多くありました。こうした日中の違いを楽しめたことで、単に「印象が良くなった、印象が悪くなった」など決めつけるようなことが難しくなりました。

理由の2つ目としては、中国に留学したことで、日本とは違った中国人学生の学生生活を目にすることができ、私にとって模範となる部分が多かったからです。図書館では学生が溢れるほど自習している、人目を気にせず廊下で音読している人がいるなど日本ではあまり見ることのない光景がありました。日本の大学だけでなく、世界にはもっと広い環境があり、そこで努力している学生がいることを知ることができたのです。こうした環境は私自身にエネルギーを与えてくれるものでした。留学を通じて、改めて自分を置く環境の大切さに気づきました。

南京大学キャンパス内の様子

 

 

 

 

 

 

 

 

私にとっては中国という国は、この大学時代で正しい理解を求めてきたからこそ特別な国です。それはおそらく中国語を学び続けていたからだと思います。最近、これまで目標としていた中国語検定準一級に合格したことで、ホッとすると同時に自分にとって中国語学習には終わりがないなと思っています。未だに中国人の友人からは、発音や表現の仕方でも訂正されますし、ドラマやニュースを聴いても分からない単語などが山程あります。留学を終えて、むしろ本当の意味で中国語学習のスタートラインに立ったような気がします。将来、必ず自分の中国語を活かせるチャンスがあれば掴み、その時のために留学後の今から準備をしておこうと思います。

最後に、このような貴重な留学の機会を下さった日中友好協会の皆さまに感謝申し上げます。ありがとうございました。(飯塚真央 南京大学 2019年)

ABOUT US
Ryohei ISHIZUKA京都府日中友好協会 青年委員会青年委員長
日本の最大手通信キャリアに勤務の後、中国系通信キャリアの日本法人に転職。現在は企業向けのグローバル人材育成を支援する会社でコンサルタントとして勤務。 また、若者のキャリア構築に関心があり、勉強している認知科学を応用したコーチング理論を勉強しており、これまで延べ100名以上のキャリアサポートを行なった実績があります。 内閣府主催「日本・中国青年親善交流」事業における2020~2023年研修講師を担当。2024年には日本・中国青年親善交流事業に参加。