最近はしめきりが近いこともあって、遠出ができていない。そこでフリーランスの友人と、お互いパソコンを持って、日本で言うところのスーパー銭湯的な施設に行ってみた。
久しぶりに湯舟につかれるだけでもありがたいが、おいしいレストランやWi-Fi完備の広い作業スペース、昼寝できる個室が揃っており、かなり良い場所だった。作業に飽きたとき、前から気になっていたドラマ「开端」を視聴してみた。ふたりの主人公は、自分たちの乗っているバスが爆発する(早口言葉ではない)運命からどうにか逃れるため、タイムループを繰り返す。日9のドラマのようなハラハラするストーリーで、面白い。風景に見覚えがあると思ったら、先月に訪れたアモイが聖地だったので、嬉しさ2倍だった。全15話で完結しているのも、中国ドラマビギナーにとってはありがたい。
(写真 入浴施設、开端)
お風呂で汗を流して、ドラマを観て沢山しゃべったら、とても元気になっていた。秋の訪れと共に忍び寄ってきていた鬱の影が、すーっと遠ざかっていた。疲れているなと感じたら、お風呂につかってみることを強くおすすめする。平日の人が少ないときが快適だ。
ちなみにお風呂場には果物がたくさん置いてあった。きっと中医学的に大事なことなのだろうと思えば、「入浴後は低血糖になりやすいため……」とエビデンス重視の長い説明書きがあった。この内容は誰に向けたものなのかしらと考えていたら、のぼせてフラフラになった。阿姨たちに座らされ、ぬるめのお湯をたくさん飲むよう言われた。そこは果物をすすめるべきところではないのか。いつもの中国の面白さとあたたかさを感じられた。(齋藤あおい 2023 華東師範大学)