オンライン留学期間を活かして普段できないことをする

 “オンライン留学”、それは従来の“留学”とは大きく異なるもの

最近は海外留学のみに留まらず、国内留学というものもありますが、いずれにせよ“留学”とは、自分の住む環境から遠く離れた新しい場所であることが前提にあると考えます。その醍醐味は自身のいる環境では無く現地に赴くことで初めて経験できること、学びを得ることだと思います。その醍醐味を“オンライン留学”で完全に果たせるかというとそれはやはり不可能であることから、“オンライン留学”と“留学”は大きく異なるものであると考えます。

“オンライン留学”の醍醐味

しかし、それ故に“オンライン留学”には何の醍醐味もない、ということではありません。私はこの“オンライン留学”をしていた1年間、新しい経験や沢山の人、国内の魅力との出会いがあり、そこから学んだことが多くあり、大きな悔いは残っていません。

沢山の学びを得られた理由は、家に留まらず国内で出来ることをやろうと行動をしたからだと思います。私は、オンライン留学の間、実家に留まらずに東京から離れた福岡のゲストハウスに5ヶ月ほど滞在していました。きっかけは関心のあるNPOが福岡にあったことで、活動に携わるためにゲストハウスに2ヶ月ほどの予定で滞在したのですが、ゲストハウスに魅了され、気がつくとスタッフとなり5ヶ月滞在していました。

ゲストハウスでは沢山の人との出会い、学びがありました。留学の醍醐味の一つに「多様な価値観を知る」ことがあると考えていましたが、私は国内にも“多様性”というのは、普段目を向けていないだけ(多様性が尊重されずにある構造によって無意識に多様性を無視してしまっている)で溢れていることを知り、「多様な価値観を知る」ことは国内でも果たせることだと思いました。

寧ろ国内だからこそ、日本人、また外国籍の人も日本語が通じることが多く言語の壁がなかったことでより濃い話をすることができ、個と個の関係を築けたことが“多様性”を知ること、またそれは当たり前に尊重されるべきことであることを強く認識するきっかけになりました。

このように、留学に行かなければ得られない学びもあるように、留学に行っていないからこそ得られる学びがあることを知れたこともまた学びです。先が見えず落ち込むのではなく、まずは行動してみることで全く予想していなかった新しい出会いが沢山あることを知ったことは、これから人生を歩んでいく上で落ち込むことがあった時に自分の背中を押してくれることと思います。

これからオンライン留学を経験するあなたが、些細なことでも一歩新しい環境に踏み出し、沢山の出会いに恵まれた1年間になることを祈っています。(小林凜 広西大学 2020年)

ABOUT US
Ryohei ISHIZUKA京都府日中友好協会 青年委員会青年委員長
日本の最大手通信キャリアに勤務の後、中国系通信キャリアの日本法人に転職。現在は企業向けのグローバル人材育成を支援する会社でコンサルタントとして勤務。 また、若者のキャリア構築に関心があり、勉強している認知科学を応用したコーチング理論を勉強しており、これまで延べ100名以上のキャリアサポートを行なった実績があります。 内閣府主催「日本・中国青年親善交流」事業における2020~2023年研修講師を担当。2024年には日本・中国青年親善交流事業に参加。