中国留学初日レベルの高すぎるクラスに配属されて心が折れた

9月18日、新型ウイルスの影響を受け延期となっていた華東師範大学の入学式がオンライン上で開催されました。待ち望んでいた留学生活がいよいよ始まります。

半年あるいは一年の休学(入学延期)申請も選択肢にはありましたが、私は通常入学を選び、秋学期をオンラインで受講することに決めました。大学4回生の年を休学した私にとって、時間は最重要事項であり、確約性のない休学延長は得策だと感じられなかったのです。もちろん、現地で授業を受けたいという気持ちに諦めがついたわけではありません。しかし、新型ウイルスの世界的流行という「この歴史的な瞬間」に今は立ち会っているのだと、前向き考え勉学に励むつもりです。

華東師範大学の秋季オンライン授業には、23カ国から90人以上の仲間たちが参加します。9月3日には早くもクラス分けのプレースメントテストが始まり、私はこの結果1-5クラスに配属されることが決定しました。 留学に向け事前に行った準備といえば、中国語の自己学習に加え、週に一回の中国語教室に通ったことです。自己学習では、発音(口语)と聞き取り(听力)が疎かになりがちだと感じていた為、この2つの能力を鍛えるため中国語教室に通うことを決めました。この取り組みは、京都に住んでいた時のみならず、休学後地元に戻った後も、地元の中国語講座に参加するなどして、約10カ月継続して学習の機会を作ることに努めました。

留学における苦労話はたくさんあり過ぎて困るほどですが、そのなかでも最大の困難は、あまりにもレベルの高すぎるクラスに配属されてしまったことです。

前述したように、私はプレースメントテストの結果1-5クラスに配属が決定したのですが、この1-5クラスとはHSK4級〜5級相当の実力を持つメンバーで構成される高レベルクラスだったのです。この時点で私は、自分がプレースメントテストにおいて、偶然にも「素晴らしい」成績を収めてしまったことを自覚しました。なぜなら、私の中国語のレベルは、偽りなくギリギリHSK3級程度なのです。あれほど待ち望んでいた授業初日は、私にとって苦悩の1日へと姿を変えました。初日の授業は口语でしたが、私はクラスメイトの言葉を何一つ聞き取れません。それどころか、自分の意見を言葉にすることもできず、完全に要介護状態。クラスメイトたちが私の伝えたいことを推測して、言葉にしてくれる状況が続きました。

約10ヶ月私が継続して努めてきた中国語学習とはいったい何だったのでしょう。留学初日にして私の心はポッキリと折れてしまいました。 現在は、クラス変更を経て1-4クラスで授業を受講していますが、それでも私にとっては難しく感じるほどです。しかし、初日に心が折れた私にはもう折れる心もありません。もう既にどん底なのですから、あとは自分の力で這い上がるしかないのです。そして、もうこれ以上下がる余地もないのなら、今の状況を楽しまなくては損というものです。毎日の授業を楽しく受講しています。グループワークでは途切れることなく喋り続けているほどです。友善的な先生と頼もしいクラスメイトに恵まれ、楽しい留学生活を過ごせていることを心から嬉しく思います。(明石愛理 華東師範大学 2019年)

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Ryohei ISHIZUKA京都府日中友好協会 青年委員会青年委員長
日本の最大手通信キャリアに勤務の後、中国系通信キャリアの日本法人に転職。現在は企業向けのグローバル人材育成を支援する会社でコンサルタントとして勤務。 また、若者のキャリア構築に関心があり、勉強している認知科学を応用したコーチング理論を勉強しており、これまで延べ100名以上のキャリアサポートを行なった実績があります。 内閣府主催「日本・中国青年親善交流」事業における2020~2023年研修講師を担当。2024年には日本・中国青年親善交流事業に参加。