道を歩いていると話しかけられる頻度がすごい話

 

私自身は、週末に食堂で日中言語交換をしたり、中国人の友人と一緒に映画を見に行ったり、KTV(カラオケ)に行ったりといった交流はしたものの、後期を丸々日本で過ごすことになってしまったこともあり、「日中友好活動」と呼べるような活動はあまりできなかった。そのため今回は、日本と中国について私が思うことや、留学を通して考えたことを少し書きたいと思う。

中国ではカフェで勉強していたり、街中を歩いていたり、旅行していたりすると、日本とは比較にならないレベルで人が話しかけてくる。そして私が日本人だと分かると興味を持ってくれていろいろと質問してくる人や、日本の〇〇に旅行に行ったことがあるよ、とか日本人の芸能人やアイドルの〇〇が好き、とか日本のアニメが好きなどと言ってくれる人が、若者を中心にかなり多くいる。また私の中国人の友人を見ていても、日本政府は好きじゃないけど、日本文化やアニメには興味がある、というある種割り切ったスタンスで日本をみている人が多い印象を受ける。

一方で日本人は、中国という国家やその政治的な側面と、そこに住む国民を同一視していたり、無意識のうちに中国人に偏見を持っていたり、無関心であったりする人が多いと感じる。実際、私の日本人の友人や知人のなかでも、中国に興味があったり中国旅行をしたことがある人は少数派だし、私が仕事を辞めて中国に留学に行くと言うと半ば変人扱いされたり、そんな恐ろしいところによく行けるね、というようなことを言う人さえいた。もしヨーロッパやアメリカへの留学だったとしたら、こういうことは言われてないだろうな、とも思う。

たしかに日本では、中国についての報道の多くは中国の政治的な事柄などが多くを占めており、普通に生活していると、中国文化や観光地、中国で流行っているものなど中国についてのリアルな情報は得るのが難しいのが実情だ。そしてその結果として、中国には魅力的な部分やおもしろいことがたくさんあるにもかかわらず、それを知らない日本人が多いことはとても残念に思える。また中国人のなかには、日本文化を知ろうとしてくれたり日本について興味を持ってくれる人が一定数いるにもかかわらず、日本人は中国について無関心な人があまりに多すぎるため、申し訳なさを感じることもある。

ほんの些細なことだが、日中友好に貢献できたかな、と思うことがある。私のある1人の日本の友人は、中国に興味はなく、むしろネガティブなイメージを抱いていた。しかし私がSNSなどで中国の食べ物の写真などをアップしたり、電話をした際に中国であったおもしろいことを話したりしていたのが功を奏して(?)中国について少し興味を持ったようで、北京に遊びに行くと言ってくれた(結局コロナの影響で来れませんでしたが…)。小さなことではあるが、これも私の中での1つの収穫かなと思う。(横山佳代 北京語言大学 2019年)

中国人の友人と日本料理店に来たときの写真

ABOUT US
Ryohei ISHIZUKA京都府日中友好協会 青年委員会青年委員長
日本の最大手通信キャリアに勤務の後、中国系通信キャリアの日本法人に転職。現在は企業向けのグローバル人材育成を支援する会社でコンサルタントとして勤務。 また、若者のキャリア構築に関心があり、勉強している認知科学を応用したコーチング理論を勉強しており、これまで延べ100名以上のキャリアサポートを行なった実績があります。 内閣府主催「日本・中国青年親善交流」事業における2020~2023年研修講師を担当。2024年には日本・中国青年親善交流事業に参加。