真冬でも窓を全開。ルームメイトのキルギス人の特徴なのか。

中国語学習・授業などについて

中国語レベルについては、留学開始時は相手の言っていることが少しなら聞き取れるけれど、自分からはほとんど何も喋れないという状態だった。例えば入寮手続きの際なども寮の阿姨とのやりとりに苦戦していた。だが前期を終えた段階では阿姨たちともそれなりにスムーズにコミュニケーションがとれるようになったので、少し成長したかな、と感じる。

また1月に受検したHSKでは、前期の目標としていたHSK5級240点を無事越えることができたので少しほっとしたが、留学終了後には6級で高得点をとれるレベルになっていることが目標なので、計画的に学習を進めていきたい。そして中国語を勉強していて感じることは、漢字が分かる日本人は想像以上にアドバンテージがあるのだということだ。非漢字圏のクラスメイトはかなり流暢に喋れる人でも、5級をとるのがなかなか難しいらしい。逆に言うと、日本人はHSKなどの試験で実力以上の評価をされがちだということでもあるので、HSK5級、6級取得は日本人にとって中国語学習の通過点にすぎないのだということを肝に銘じて、これからも学習に励んでいきたい。

スピーキングに関しては、私はどちらかというと社交的なほうではなく、また吃音もあるため喋ることに関して少し苦手意識があったこともあり、会話練習に消極的になってしまった部分があるのが少し心残りだ。後期は授業以外での中国人との交流や街に出る機会をさらに増やして、スピーキングも強化したい。

また大学の授業では、自分の国の文化について先生やクラスメイトに説明しなければいけない機会が多い。例えば子供への名前の付け方、姓について、恋愛観や結婚制度について、学生生活について、仕事についてなどいろいろなことをプレゼンしたり、クラスメイトと話し合う機会があったが、それらを通して、日本について留学前よりもいろいろな国との比較の上で客観的に見られるようになったように感じる。また、中国だけでなくいろいろな国のことを以前よりも身近に感じられるようになったと思う。

生活について

私は一人暮らしの気楽さに慣れすぎており、また今までの人生で出会ったことすらなかったキルギス人といきなりルームメイトとして暮らすということで、最初はストレスがたまらないか不安もあった。だがルームメイトは綺麗好きだったし、クーラーの設定温度が低すぎるとか真冬に窓を全開にするなどを除けばまあまあ許容範囲だったので、ほっとしている。一方ルームメイトが曲者で大変な目にあったという話もよく聞くので、私は運がよかったのだなとも思う。

その他

そして中国の変化の速さも実感した。例えば、少し前に北京を旅行で訪れた際は「mobike」というシェア自転車が街のそこらじゅうにあったが、今は「美团」という企業に買収され非常に少なくなっていたり、逆にDiDiが運営している「青桔」というレンタル自転車がとても多くなっていたりといった変化があった。またセキュリティーに関しては、監視カメラがいたるところにあるのはもちろんのこと、空港の保安検査がやたらと厳しかったり、地下鉄に乗る際もセキュリティーチェックがあって長蛇の列になっていたり、YouTubeやGoogleがVPNを通さないと見られなかったり、厳しすぎて面倒だなと感じることも多々ある。

コロナウイルス関連

特に流行初期に患者数が更新されるなど新しい報道があるたびに、日本のネット上などで、中国人に対する心ないコメント、また不必要に不安を煽るようなコメント、偏見やデマなどが多数みられ、本当に恥ずかしい思いになった。そして欧州などでは、日本人も中国人も一緒くたにされ、「アジア人」というくくりで差別されている現状がある。こういう時こそ自分の頭で考えること、正しい情報源から情報を得ることを徹底し、地道に予防につとめるしかないのだと思う。事態が一刻も早く収束し、また再び北京で学べる日々がはやく来ることを期待しながら、オンライン授業での学習を頑張っていきたい。(横山佳代 北京語言大学 2019年)

天津の静園(溥儀の旧居)にて

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Ryohei ISHIZUKA京都府日中友好協会 青年委員会青年委員長
日本の最大手通信キャリアに勤務の後、中国系通信キャリアの日本法人に転職。現在は企業向けのグローバル人材育成を支援する会社でコンサルタントとして勤務。 また、若者のキャリア構築に関心があり、勉強している認知科学を応用したコーチング理論を勉強しており、これまで延べ100名以上のキャリアサポートを行なった実績があります。 内閣府主催「日本・中国青年親善交流」事業における2020~2023年研修講師を担当。2024年には日本・中国青年親善交流事業に参加。