現地で生活しながら中国語を学ぶ効果とそのコツ

私は留学を開始し3ヶ月でHSK5級を取得することが出来ました。留学先として選んだ華東師範大学では国際色豊かな環境でクラスメイトと共に授業を受け、中国語という手段を通し出会うことが出来た先生や友人から刺激を受け、多くのことを学びました。「異文化理解」この言葉に含まれる意味やその深さ、重さを初めて感じることが出来ました。このような留学の機会を頂けたことに感謝すると共に、留学前期での経験を踏まえ後期も新しいことチャレンジし、実りある留学生活にしたいと思っています。

留学前の日本での中国語学習ではどこかしっくりこないと感じている自分がいました。今思うと、表面的な部分しか学んでいなかったのかもしれません。そんな中で、「現地で生活しながら中国語を学ぶ」これは私にとって、とても重要な役割を持っていました。そのことに気づけたのは、現地での中国人学生との出会いがきっかけでした。学習していく中で、読解・リスニングの伸びを感じながら、自分の考えを中国語で話すことに対してとても苦手意識がありました。中国語独特の表現に苦戦していました。そのことを友人に話したところ、「日本語を忠実に中国語に訳そうせず、ネイティブとの会話から言葉の表現の仕方をまねると良い。」とアドバイスをくれました。これを意識しながら会話以外にも様々なツールを使い勉強していく中で、特に中国ドラマが大きな影響を与えてくれたと感じています。ドラマは喜怒哀楽の表現や中国の現代社会を知ることに繋がっていると気づきました。学習を通して、いつの間にか中国の文化や慣習、中国の人々を知ることが出来ると感じ、中国語学習がさらに楽しくなりました。

クラスにおいては、国際色豊かな環境で授業を受けることは初めての体験でしたが、母国語以外を使って意見交換を行い、相手のことを知ることの難しさを実感しました。各国の現代社会情勢、教育、文化、習慣、娯楽等初めて知ることばかりでとても新鮮でした。高校を卒業しギャップイヤーで留学に来ている学生がとても多いことに驚き、学ぶことにどん欲なクラスメイトに刺激をもらいながら授業を受けることが出来ました。また、中国語を使い様々な国のことを知ることで、日本人としてのアイデンティティを見つめなおすきっかけにもなりました。自分のステレオタイプにとらわれず、自分も相手も受け入れることは簡単なようで難しく、異文化理解には欠かせないと身をもって感じることが出来たように思います。

留学前半を終えて振り返ってみて、上手くいかないことや大変なことも多くありましたが、長年経験してみたいと思っていた、中国留学を経験出来た充実感と健康で前半を終えることが出来た達成感も感じることが出来ました。また語学を学ぶ上で検定取得は自分自身の実力を知るうえで大切です。しかし、そこに囚われすぎず、中国語を学ぶ意味を忘れず残りの留学生活も充実したものにしたいと思っています。(宮川穂乃佳 華東師範大学 2019年)

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Ryohei ISHIZUKA京都府日中友好協会 青年委員会青年委員長
日本の最大手通信キャリアに勤務の後、中国系通信キャリアの日本法人に転職。現在は企業向けのグローバル人材育成を支援する会社でコンサルタントとして勤務。 また、若者のキャリア構築に関心があり、勉強している認知科学を応用したコーチング理論を勉強しており、これまで延べ100名以上のキャリアサポートを行なった実績があります。 内閣府主催「日本・中国青年親善交流」事業における2020~2023年研修講師を担当。2024年には日本・中国青年親善交流事業に参加。