飽き性なので様々な勉強方法を試すことがルーティン化している。
単語はキクタン初中級編を買い、一日10個ずつ覚えて一か月で全部終わらせるぞ!と意気込んだものの、すぐに飽きてしまい、夜に聞き流しながら寝るのみになってしまった。しかし独特のリズムに乗った中国語がやけに耳に残り、その単語を教科書で見つけると、脳内で読み上げ音声がクリアに再生されることがあるので、リスニング教材として効果は高いと思う。ピンインを覚えるには手書きより電子機器が適していると思う。パソコンや携帯のキーボードで、漢字を見ながら、あるいは音声を聞きながらうろ覚えのピンインをひたすら打ち込むのだ。Zh/ch/jあるいはsh/xなど混乱しやすいピンインはだいたい決まっている。正しい漢字が出るまでタイピングを続けているうちに自然に覚えられるようになった。パラグラフをそっくりそのまま打ち込む練習をすることで、HSKオンライン試験の作文パートを受けるときにも大きな助けとなった。
弱点としてはピンインを集中しすぎることで声調がおろそかになりがちになるところである。中国語は発音が命と、先輩方が口をそろえて言うため、発音の本を買ったが、地味で退屈な作業なのでなかなか続けることができなかった。
Youtubeにある中国語の発音ビデオを見ることもあるが、これも自分一人で取り組んでいても正しく発音できているのかもわからず虚しくなってしまうので、最終的に言語交換パートナーに手伝ってもらうことが多い。対面で一緒に練習することもあれば、録音したものを送り確認してもらう→ネイティブ録音を送ってもらってそれを聞きながら練習するなど、何とかモチベーションを保っている。
しかしまだまだ道のりは遠く発音は自分の鬼門だという自覚がある。中国留学で一番良かったことは勉強環境が最高に整っていたことだ。朝8時に授業が始まり、ランチを食べたら図書館、あるいは寮の自習室に直行する。夕食までその日の復習・宿題・予習、余裕があれば発音練習・HSK試験勉強など、みっちりと勉強する。少し休憩したくなったら外卖でミルクティーやケーキを頼むのもいい。強制的に朝方人間になるのと、学校から出ずに生活が完結すること、勉強意欲の高い学生に囲まれることでかつてないほど勉強に集中することができた。
中国を離れている現状、留学時と同じように取り組むことはとても難しいが、のちに時間を無駄にしたと後悔しないよう、今出来る精一杯の努力を続けたいと思う。(松尾美欧 清華大学 2019年)