今、中国で流行っている物で、自分がよく耳にするのは「抖音」というアプリケーションと、日本のアニメ・漫画である。
「抖音」というアプリケーションはどういうものなのか。実は、日本でいう「TikTok」と全く同じアプリケーションである。日本では「TikTok」は中高生を中心に若者に人気があるが、中国では日本よりも比較的幅広い層に使われている印象が強い。私も一度ダウンロードしたのだが、Youtubeのように自ら探すというよりは、勝手に動画が次々流れてくるのである。日本では音楽と動画を組み合わせてコメディ寄りにした動画や、可愛い・カッコいいといったビジュアル依存のコンテンツが多いと友人から聞いていたが、中国では、メイク動画、食事、観光地、商品のレビューなどといったコンテンツも根強い人気があるようだ。動画時間も15秒から1分までと、幅広い。またライブ放送機能もあり、気に入った実況者のライブ中継を電車の中で見ている人も多い。
なぜ中国ではここまで「抖音」が流行しているのか。まず、Youtube、Instagramなどのアプリケーションが国内では視聴できないことが前提としてあげられる。ただ、それだけでこのアプリケーションの流行を説明することはできない。そこには中国でのスマホの普及率の高さ、スマホへの依存率が関係しているに違いない。言わずもがな、中国では一般的な都市であればスマホなしでは生活出来なくなっているほどにスマホが国民の生活の中心になっている。すなわち老若男女問わず皆がスマホを所持している。ここが日本と大きく違う点であり、故に日本では見られないような光景がここ中国では見られるのである。
また、日本のアニメ・漫画の人気も非常に根強い。私が中国人と知り合う時、かなり多くの人にアニメ・漫画の話題を振られるのである。私も好きな作品は多いが、それ以上に多くの作品を視聴したことがある人も少なくない。やはりアニメ・漫画は日本の文化の中でも特に若者からの人気が高いコンテンツであり、うまく観光産業と結びつけられると日本の観光産業をまた違った角度から盛り上げられると感じている。(中津大介 北京大学 2019年)