中国に留学して約半年が経った。全体を通して、とても充実した留学生活だった。またこの半年間の留学によって海外に対する見方が変わり、日本を客観視出来るようになった。日本とは全く異なる環境で生活し、忍耐力がつき、どんな事でも臨機応変に対応できるようになった。このように自分が変われたのは2つの理由がある。
1つ目は、大学生活である。授業や寮ででは勿論、文化祭等の行事でいろんな人と積極的に関わりを持てた事である。授業ではクラスメイトと留学した理由や将来やりたい事等を話し合い、とても刺激を受けた。自分と同じ年齢層の人たちが目標を持ち、夢に向かって頑張っている姿を見て、自分も頑張ろう。と鼓舞された。私自身、留学終わらせて中国語がそれなりにできるようになり、大学を卒業できればいいかな、と将来について軽い気持ちで考えていた。しかし、周囲の友達は将来やりたい事があり、そのために今留学している。と明確な目標と強い志を持っていた。周りに影響され、今まで自分の将来について茫然としていたが、まずやりたい事を見つけるために情報収集を始めた。そして今この環境下で少しずつ自分のやりたい事を見つけて行こう、と考えられるようになった。それが留学してから私の中での大きな変化と言える。また、自国の文化や習慣を話し合う場が度々あり、そこで日本や外国の良さを深く理解できた。
2つ目は、上海剣道愛好会に所属した事である。ここでの経験は留学生活の中でも貴重なものとなった。私のような学生ではなく社会人が多く所属しており、将来について考える機会が多かった。駐在している方々の話を聞き、海外で働くという選択肢も考えられるようになった。日本企業に就職した後、ご縁があって海外に行く事になる。現地採用という形で海外に拠点を置く日本企業に勤める。海外で就職活動をしてそこの企業に勤める。と、海外で働くためにはいくつもの方法がある事を知り、今まで以上に海外で働きたいと思うようになった。
そして、将来のためにも今以上に中国語が話せるようになりたいと思った。また、愛好会には中国人も多く所属しており、中国語で剣道や日常生活について話し合えた。学校で学んだ事をアウトプットし、生かせるコミュニティがあったのは中国語のレベルアップに貢献したのではないかと思う。稽古を通して、自分の伝えたい事を中国語で正確に伝えることの難しさを感じた。授業で学んでいる時は疑問に浮かばなかった単語が実際に使ってみると少しのニュアンスの違いで使い方が分からないなど、壁にぶち当たる事もあった。だが、周りのサポートのおかげで、当初よりも中国語を上手く使いこなせるようになったと思う。
そして何よりも中国人と交流する中で一番嬉しかったのは、日本が好きだと言ってくださる人たちがいる事だ。日本のアニメや武道、食べ物が好きで興味を持ってもらえる事、そしてそれをきっかけに日本語を学び始める、異文化交流を始める人がいて何よりも嬉しかった。歴史や政治の状況から日本の事を好まない人も一定数いるが、それに関わらず良くしてくださる方々がいて、私も各国の歴史や文化を理解した上で相手を尊重して交流しようと思った。(島村雅子 華東師範大学 2019年)