4月に入り、南京では各大学が再開に向けて準備を始めています。(どうやら、教室での授業を再開するのは、全部ではなく、一部の中国人学生のみで、留学生の授業は今学期一杯オンライン授業になりそうです。)
その影響からか、4月の某日、突然キャンパス内に入れてもらえないことがありました。僕は毎日、キャンパス内にある食堂にご飯を食べにいくので、これはとても困ったことです。それ以前は、顔パスで入れてくれたのですが(もちろん1回目の入構時は、学生証を提示して、入構許可リストに名前が載っているか照合する必要がありました)、ルールが変わったようで、その日以降、キャンパスカード(学生証ではなく、学校内で料金を支払うのに使用するSuicaみたいなプリペイドカード)を入口のところにある専用の器機にタッチして、「OK」が表示されないと入構できない、ということになったようです。
途方にくれた僕は、早速、その日のうちにこの件をWeChatで留学生担当の先生に相談しました。幸い、その先生が親身になって対応してくれて、学内のシステムに何やら申請してくれたおかげで、次の日からは元のようにキャンパス内に入構できるようになりました。この件に限らず、中国では、日本みたいに「察する」という文化がないので、問題が起きたときは、恥ずかしがらず、積極的に、自分から助けを求めないとダメなことが多いです。(もちろん、助けを求めたからといって、解決しないこともありますが。)
なにはともあれ、再び学食でご飯を食べられるようになったので、よかったです。新型コロナのことが起きて以降、食堂へ通うのはすっかりルーティンになっています。おかげで、入構できなかった日を除き、皆勤賞を達成しています。
僕は、とりあえず毎日白米を頼むので、食堂のおばさんは、100m先から僕が来るのを目にするやいなや、もう白米をよそい始めています。今では、そんな食堂のおばさんと、あいさつしたり雑談したりするのが日々のささやかな楽しみになっています。僕のことを日本人だと知っている食堂のおばさんたちは、なぜか今日、僕が料理を注文するとき、からかい半分で「はい」「はい」と日本語で返事してくれました…(佐野聡 南京大学 2019年)