2019年9月からの留学日程が終了しました。約4か月という現地での学習と、日本でのオンライン授業というイレギュラーに振り回されましたが、とても有意義な一年間でした。
振り返ってみると本当にあっという間でした。中国到着後とにかく指定された時間に指定された場所に行きましたが、全く説明もなく自分が並んでいる手続きの列が正しいのかどうかも分からず不安になるどころか少しイライラしながらも一日で銀行口座の開設や、携帯番号の取得まで出来てしまったあの初日が昨日のことのようです。
中国到着直後の自分は全くコミュニケーションが取れないといっても過言ではないレベルにあったので、今思い返しても何故しっかりと手続きが出来たのか不思議でしょうがないです。大体その一週間後くらいから本格的に中国語のクラスがスタートしました。初日の成功体験?から謎の自信があり、積極的に授業に取り組んでいくことが出来ました。その結果、先生からクラス長にならないかと打診されました。
留学生活に慣れたとはっきり感じたのは一か月後くらいだったと思います。毎日起床後勉強、教室で授業を受け、放課後は図書館で予習復習をするか、映画を見に行ったり、近くを散歩したりと生活リズムが決まってきたからです。ただ最後まで慣れなかったのはタジキスタン人のルームメイトとの生活です。
最初は掃除が好きと言っていたので綺麗好きな人かと思いましたが、食べ物を床に置いたり、冷蔵庫の中をごみ屋敷にしたり最終的に冷蔵庫を壊してしまったりと様々な問題を引き起こしてくれました。とても変わった性格の人で、疲れることもありましたが中国以外の国の人と交流することでも、新しい発見があることも留学の一つの魅力だと捉え笑って楽しく過ごすことができました。
他にも滞在中にはいくつかの都市に旅行に行きました。特に蘇州は上海から近かったこともあり、合計で10日ほどは過ごしたと思います。優雅な水郷ですが、世界遺産に登録されているいくつかの庭園や東洋のピサの斜塔といわれる虎丘や蘇州博物館など建築物に魅了されました。
そんな感じであっという間に4か月が過ぎ、後期の学習計画や数々の建築物を見に行く旅行計画も立て始めていた矢先、まさかのオンライン授業になってしまいました。授業時間は日本時間午後4時から5時30分までの一時間半と教室での授業に比べ格段に短くなりました。学期の延長を申請した方が良いのか、それともオンライン授業を受けるのか、受けた場合午前中も自分でしっかりと学習を続けることが出来るのか等、いくつかの不安はありましたが、結局オンライン授業を選択しました。
結論から言うとオンライン授業も悪くないと思っています。学生の人数は少なく6,7人に対して2人の先生が付いてくれていたという事もあって授業の密度は濃く、先生方も初めてのことなので進め方に迷いがあったのか、アンケートを取ったり、個人面談を行ったりとかなり力を注いでくれた印象があります。
また学生も授業方式に慣れていくにつれて、予習、復習、課題にかける時間も長くなってきました。なんだかんだ毎日7時間ほどは中国語に向き合っていたと思います。環境問題や新エネルギー、中国のEコマース事情について等々の少々難易度の高い話題扱って中国語を学習することが出来たのはとても興味深かったです。こういった話題に加えて、毎日持ち回りで一人5分程度の、金曜日は全員が一人10分以上のプレゼンテーションといった自分の意見を発表する機会が多くあったことで、伝えたいことをそのまま中国語で思考する癖もついたと思います。
置かれた状況でやるべきことはやれたと思いますが、やはり悔やまれるのは教室で学習することが出来なかった点です。一年間の中国留学とはいえ実際に上海にいたのは4か月程度。まだまだやり残したこともたくさんあり、率直に言うと不完全燃焼という感じがします。来月にはHSK6級の試験がありますが、今までやってきたことを存分に発揮し、良い成績を収め、今後はこのもやもやした気持ちを晴らすべく中国と関わった仕事をしていけたらと思っています。
最後にこのような素晴らしい機会を与えて頂いたこと、心より感謝申し上げます。(佐藤大介 東華大学 2019年)