日本では実施できないであろう新型肺炎対策
依然として猛威を奮っている新型肺炎に対して、中国は様々な対策を実施してきた。今回、大学内で実施されている施策を紹介する。
1月下旬、外出時に所定の用紙に外出理由と外出目的の記入を義務付けられ、キャンパス外へ出ることは禁止された。
2月上旬、大学内のスーパーマーケットには食料・飲料・紙類しか売っていないため、3日に1回スーパーマーケットに売っていない必要な物を先生に伝え、買ってきてもらえるようになった(1回につき3つの商品まで)。
2月中旬には、スーパーマーケットに入る時も体温を測り電話番号を伝えなければ入れなくなり、スーパーマーケットや食堂から寮に戻ってきた時も体温を測るようになった。また、食堂で食事をする時、1つの机につき1人で食事をしなければならず(通常1つの机に4つの椅子がある)、友人と一緒に食べることも禁止された。
2月上旬は生活範囲の狭さ故に毎日息苦しさを感じていたが、今ではこの生活に慣れることができた。学校内では健康管理が徹底されており、ここでの生活は安全だと感じている。また、最近は日本で感染者数が増加していることから、先生や阿姨から私の身体よりも日本の家族の心配をされるようになった。このように住民の行動範囲を制限し、街を封鎖する方法は日本では実行できないと感じた。
インターネット授業の開始
新型肺炎の影響で各国の新規留学プログラムは中止になっており、私の通う大学の規模は大きくないため、中国語専攻の授業が春学期もあるのか不安だったが、2月24日、無事インターネット授業が開始された。春学期の生徒数は35人ほど(約80人減少)でクラス数は3クラスである。YouTube、bilibili、Amazon Driveにアップされている動画を視聴し、疑問点があれば、時間割り通りの時間に先生に質問する形式で、毎週日曜日に1週間分の動画がアップされる。
私は授業の資料もインターネットからダウンロードできるが、地域によってインターネット環境が異なり、動画の再生速度が遅かったり資料をダウンロードできない学生もいるため、大学内での授業が開始した後、補講も実施されることが決定した。このような状況でも勉強する環境を提供してくれている先生たちに心から感謝し、3月も勉学に励んでいきたい。(小川一馬 北方工業大学 2019年)