早いもので、9月に始まった華東師範大学のオンライン授業秋学期が間も無く終わろうとしています。留学生活の半分が終わってしまいました。12月30日現在、授業はどの教科も最終授業を既に終了しており、残るは1月に行われる期末テストのみです。期末テストも1月の第1週目には終わる予定ですので、以降は3月の春学期開始日まで長い春休みを過ごすことになります。
さて、今回のレポートテーマは留学以前の中国に対する印象と、以後の印象です。
皆さんは中国に対してどのような印象を持っていますか。私は、勤勉や丁寧とは真逆の国であるという印象を持っていました。具体的には、時間や決まり事にルーズであったり、予定が二転三転して見通しが立たなかったり、と言ったあまり良くはない印象です。
ところが留学を通して感じたのは、私が感じていた印象とは全く真逆の、勤勉で丁寧な中国一面でした。むしろ私は、中国は勤勉どころかワーカーホリック的だと考えています。というのも、私の留学先大学の運営陣、教諭陣は高い確率で働きすぎといえる状況にあるからです。例えば、休日や平日の大変遅い時間帯であるにも拘らず、生徒の質問に答えたり、宿題の添削をしたり、さらには授業とは別に質疑応答の時間を設けたり、驚くほどに勤勉で丁寧です。留学生活を通して、彼らが時間や予定にルーズだと感じた事は一度もありませんでした。
先月のレポートで、中国の流行語として「996」を紹介しましたが、この言葉は中国の現在の状況を本当に良く表した言葉だと感じています。誰しも、「9時に出勤して21時に退勤して、これを週6日」などという生活は望んでいません。しかし、現在の中国は厳しい競争をもとに成り立っています。大学を卒業後就職先が見つからず、出前の宅配員を生業にする若者が確かに存在するのが中国の現状です。
現実の中国は、決して怠惰でいい加減な国ではないという事が、どのような人にも伝われば良いと感じています。もちろん、皆が勤勉であるということではありませんが、中国の急激な発展を支えたのは、彼らの勤勉な働きだということも、また理解してほしいのです。(明石愛理 華東師範大学 2019年)