留学半年で気づいた2つのことと心残り

今回の中国留学で沢山の発見・学びがあった。その中でも特に感じた3つのことを紹介する。

① ひとりでは何もできない
中国語や英語がままならない状態で中国に来た。当然だが自分ひとりでは何もできず、入学登録もビザの手続きも友人の助けがあって終えることができた。私は人に頼ってはいけないと考えていたが、実際は頼らなければ何もできなかった。最初はこの事実が悔しかったが時間が経つにつれ、そもそも人に頼るのは悪いことではないと気付いた。できないことがあるのはお互い様であるため、できないことは人に頼り、自分にできることがあれば手を貸して補い合えば良い。社会はこのような相互扶助で回っているのだと留学して気付くことができた。
今後、ひとりでは乗り越えられない状況に幾つも遭遇するだろう。周囲の手を借りて上手に壁を乗り越えていきたい。そして私も困っている人がいたら積極的に手を差し伸べて助けになりたい。

② 発展した中国社会
中国で生活していると、発展したシステムに驚くことばかりだった。キャッシュレスはもちろんのこと、デリバリーやタクシーなど生活を快適にするシステムが全て整っていた。このような点から中国が世界をリードする存在になりつつあること、そして日本は発展しているようで実は遅れていることを痛感した。
この便利さに慣れてしまっているため、帰国後は不便を感じてしまうだろう。しかしシステム構築が上手な中国を見習い、日本社会を便利にするビジネスを考えたい。

③ 心残り
学ぶことばかりだった留学だが、心残りが2つある。
1つ目は「発展した中国」以外の側面を見ていないことだ。上海で勉強し、私が見ていたのは最先端の中国だ。しかし場所によっては発展が遅れている所もあり、文化も生活スタイルも全く異なると聞いた。各都市を訪問して異なる生活水準を持つ人々の生活を知り、中国の別な側面も見るべきだった。
2つ目は、中国人の考え方の背景を知ることができなかった点だ。例えば中国には大きい犬が多い、それは大きいものが好きだから、ということは知ることができた。しかし何故そこまで大きいものにこだわるのか、またその歴史的背景はどうなのか、という深いところまで踏み込めなかった。考え方の根底にあるものを知ることが重要だ。これは帰国後の課題として、様々な事象で中国人の考え方を研究していきたい。

「井の中の蛙大海を知らず」という言葉がしっくり当てはまる留学だった。同じように留学しているクラスメイトや中国の友人から多くのことを学び、自分の視野の狭さを実感した。「こんな人もいるのだ」「こんな世界もあるのだ」「こんな生き方もあるのだ」と発見する毎日だった。人生の選択肢は無限大であり、何事も自分次第だ。夢に向かって人生を設計し、固定概念にとらわれずに積極的に行動していきたい。
帰国しても中国語の勉強、そして中国経済の情報収集に努める。大学卒業後は日本で起業する予定だが、何かしらの形で中国に携わることができたらと考えている。
このような素晴らしい機会を与えてくださった日中友好協会の皆様、本当にありがとうございました。感謝申し上げます。(松岡真輝 上海財経大学 2019年)

ABOUT US
Ryohei ISHIZUKA京都府日中友好協会 青年委員会青年委員長
日本の最大手通信キャリアに勤務の後、中国系通信キャリアの日本法人に転職。現在は企業向けのグローバル人材育成を支援する会社でコンサルタントとして勤務。 また、若者のキャリア構築に関心があり、勉強している認知科学を応用したコーチング理論を勉強しており、これまで延べ100名以上のキャリアサポートを行なった実績があります。 内閣府主催「日本・中国青年親善交流」事業における2020~2023年研修講師を担当。2024年には日本・中国青年親善交流事業に参加。