留学先である北京大学の、オンラインでの授業は6月中旬に終わりを迎えた。二月末頃から本格的に始まったオンライン留学だが、現地での留学とどう違うのか、私なりの観点で書こうと思う。
実際のスケジュールは、「高级口语课」(以下全て北京時間)(月・木8:00〜10:00)、「飞翔2」(火・金14:00〜16:00)を主要二課とし、選択可能な授業が2種類ほど(文法、ビジネス中国語など 週に2回)用意されていた。時差の大きい学生は、週1回の出席でも構わないというスタンスであった。
オンライン留学最大の欠点は、体験できる内容が非常に限られてしまう点である。皆さんの想像通り、ほとんどこれに尽きる。現地に実際に足を運び、見たり感じたりする経験はオンラインではまだできない。
また、他の学生との接点があまりにも少ない。先学期のオンライン留学では授業以外でのクラスの活動がなく、中国人の友人はおろか、留学生の友人もできなかった。今後オンラインでの留学の広がり次第では、もしかするとzoomなどを用いたクラス会なども予想できるが、言語だけでなくオンラインでのコミュニケーションの難しさも考えるとかなり困難なイベントになると思われる。
ただ、日本にいて中国の授業を受けるのであれば、インターネット接続に関しては大きな利点がある。現地ではほぼ全てのサービスが遮断されてしまう。VPNを準備した上で、接続状況が悪いと繋がらないため、インターネットを使うまでの障壁が想像以上に高い。留学を予定されている方には、お金を払ってでもVPNを用意することをお勧めする。
また、就職活動においても大きな利点がある。そもそも学部2年や3年で留学される方が多いが、現地では上記のような理由もあり、情報収集が難しいだけでなく就職活動のイベント数も限られていた。就職活動に前向きな学生にとっては、オンライン留学はかなりメリットが大きいのではないだろうか。
今回は、オンライン留学の長所短所についてお話ししたが、個人が何を求めるかによって理想の留学形態は異なるだろう。皆さんには、できるだけご自身の理想に近い留学を実現していただきたい。(北京大学 中津大介 2019年)