今月は、現地での人との関わりについて記そうと思う。この点をより具体的に想像できれば、より準備しやすいと考えるからだ。「こんな機会があるなら、こうしておけば良かった…」という誰かの後悔の可能性を一つでも減らせれば幸いである。
まず、私は北京大学の対外漢語学院に漢語進修生として留学したのだが、当然様々な国からきた留学生たちに囲まれて生活をするので、そこでのコミュニケーションは(特に留学の初めの段階では)英語が使われる事が多い。私は、もっと英語で流暢にコミュニケーションが取れればもっと深く理解し合えただろうという経験もした。英語も話したい、学びたいという人でそれなりの決意を持ってできる人にはなかなか良い環境だと思う。学期の途中あたりからはクラスメイトとの仲も深まり、中国語での会話も増えていったので英語が苦手だからといって過度に不安がる必要もない。笑顔で会話を楽しむ方が大事だと感じた。
次に皆さんに伝えたいことは、現地の中国人との交流の機会は意外と多くはないということである。もちろん、中国人がいないという意味ではない。関わるきっかけを作らなければいけないということである。留学生クラスの生徒は皆海外からの留学生で、実際に同年代の中国人と話す機会がそこにあるわけではない。学期の初めに課外活動オリエンテーションがあるので、そこで自分のしたい事や得意な事に関するサークルに所属するのが手っ取り早いと思われる。北京大学のサークルの多くは週に1、2回の活動を基本としている印象なので、幅広く交流したい人は複数サークルに参加できる。
また北京に関して言えば、日本人中心の活動サークルが相当数ある。私もバドミントンを通じて様々な社会人の方や、学生たちと知り合う事ができたのだが、留学開始当初は日本人コミュニティと距離を取ろうとしすぎていたために逆に可能性を小さくしてしまっていたと感じる。これから留学を控える皆さんには、中国人との交流という一つの方法だけでなく、海外の留学生や現地の日本人の方々との交流の機会にも積極的になり、様々なアプローチで留学生活を充実させてほしい。(北京大学 中津大介 2019年)